アメリカの不運と中国の幸運 2013 1 20

 対テロ戦争の舞台が、中東からアフリカに移ったとすると、
アメリカは、アフリカに釘付けになってしまうかもしれません。
 しかし、中東は、まだ安定していません。
イスラエルとイランの戦争が、いつ開戦するか。
そういう想定も考えておくべきでしょう。
 これでは、アメリカの東アジア・シフトは、無理でしょう。
いくらアメリカでも、中東・アフリカ・東アジアと3正面作戦は不可能です。
結局、アメリカの主力は、中東・アフリカに釘付けでしょう。
 中国は、「時の運」に恵まれているかもしれません。
やがて、南シナ海、東シナ海、太平洋は、中国の海になっていくかもしれません。
 評論家は、中国経済が破綻するから、そういう心配はないと言いますが、
だからこそ、中国は、北朝鮮のように軍事優先の先軍政治となっていくでしょう。
経済が失敗したから、先軍政治になっていくのです。
 アメリカは、クリントン国務長官の「迫力」で、
何とか、やり過ごしてきましたが、
クリントン国務長官が引退すれば、
アメリカは、防戦一方となるでしょう。
あのような「迫力」と「行動力」がある政治家は、他にはいないでしょう。
 前置きが長くなりましたが、
要するに、何が言いたかったかというと、
日本は、「自分の国は自分で守る」という覚悟を決めるべきです。

甘えの構造 2013 1 5
 子供が高校生や大学生になってくると、
まだ扶養されているにもかかわらず、
親の苦労も知らず、
親に文句を言うようになったり、
親を批判するようになるでしょう。
 母親にしてみれば、子供に対して、
「あなたの小遣い代やケータイ代を稼ぐために、
私は、パートに出ているのに」と言いたくなるでしょう。
 実は、これと同じような構造が、日本の安全保障にもあります。
つまり、安全保障にも、「甘えの構造」があるのです。
 私は、何度も書いていますが、
日本は、アメリカに安全保障を依存しておきながら、
それでもアメリカには何か文句を言いたいという「甘えの精神構造」があります。
 そんなに文句が言いたいならば、
「自分の国は自分で守る」という体制に変えるべきでしょう。
 これも何度も書いていますが、
フランスは、第二次世界大戦後、
アメリカにもソ連に依存しない「自主独立路線」を取ってきました。
 こうした「自主独立路線」を担保するために、
フランスは、核武装し、原子力潜水艦を保有し、原発大国となっています。
このような政策を取ると、国民には、大きな負担がかかると思います。
(フランスは、国防費がGDPに占める割合は、2.6%もあります。
一方、日本の国防費は1%未満で、世界平均は、2.0%となっています。
数字は、「米軍が見た自衛隊の実力」(北村 淳)から引用)
 フランスも、日本のように、安全保障はアメリカに依存して、
経済発展に専念していれば、別の未来があったと思います。
 それでも、フランス人は、単なる経済発展よりも、
「国家の独立」という道を選んだでしょう。
 ところで、フランスの国防予算は、
GDP比で2.6%も必要かという論点があるかもしれません。
 フランスの周辺国には、
北朝鮮や中国のようなミサイル大国や核大国が存在しないからです。
 イギリス、スペイン、イタリア、スイス、ドイツ、ベルギー、
みんな友好国ばかりでしょう。
周辺国に、北朝鮮のようなミサイル大国、あるいは中国のような核大国はありません。
 だから、フランスは、それほど危機感を持つ必要はないかもしれません。
むしろ、危機感を持つべきは、日本でしょう。
 にもかかわらず、フランスの国防予算はGDP比で2.6%なのに、
日本は1.0%となっているのに、何の危機感もありません。
 それどころか、「憲法改正反対」と主張する国民が多いのです。
憲法9条については、いろいろな解釈がありますが、
9条2項で、「陸海空軍その他の戦力は、保持しない。
国の交戦権は、認めない」と定めています。
外国人は、「これで国が守れるのか」と不思議に思うでしょう。
 日本においては、
「国防は、アメリカが何とかしてくれるだろう」という依存心が強いので、
外国人が、どう考えようとも、
「陸海空軍その他の戦力は、保持しない。
国の交戦権は、認めない」ということで、よいと考えているのです。
 本来、自分の国は自分で守らなければならないのに、
「アメリカに守ってもらう」と考えるところに、「甘えの構造」があるのです。
 もうひとつ「米軍が見た自衛隊の実力」(北村 淳)から引用しましょう。
 極めて情けない話だが、
「海上自衛隊の艦艇がマラッカ海峡を通過する前に、
われわれがP-3を出して安全を確認している」という話を、
米海軍P-3部隊関係者から聞いたことがある。
 いくらなんでも、そのようなことはないだろうと思っていたところ、
海上自衛隊のP-3C部隊関係者から、「そのような事実もあった」という話を聞いた。
 自国の軍隊すら米海軍によって護ってもらっているのでは、
米海軍に「われわれが日本のシーレーンをオープンにしている」と豪語されても仕方ない。
(以上、引用)

ペルシャ湾 2012 11 4
 将来、アメリカから、
「ペルシャ湾は、日本が自力で守れ」と言われる日が来るでしょう。
 現在、ペルシャ湾は、バーレーンに司令部を置く、
アメリカ第5艦隊(空母を含む)が守っていますが、
この体制が、いつまで維持できるか。
 アメリカは、いつの間にか、原油輸入の多様化を進め、
原油の中東への依存度は、かなり下がっています。
 やがて、アメリカは、中東なしでも、
原油も天然ガスも輸入先に困らないということになるでしょう。
さらに、今、アメリカは、シェールガスやシェールオイルで盛り上がっています。
 これは、もしかすると、禁断の果実を口にしたかもしれませんが、
いずれにせよ、アメリカの国内資源は有力です。
つまり、アメリカの中東への関心は下がっていくでしょう。
 問題は、アメリカの納税者の動向です。
「巨額の税金を使って、アメリカ第5艦隊を駐留させているが、
これは、税金の無駄遣いではないか」という声も出てくるかもしれません。
 そうなると、いったい、どこの国が、
ペルシャ湾の原油や天然ガスを最も利用しているのか。
つまり、最も恩恵を受けている国が、ペルシャ湾を守るべきではないかとなるでしょう。
その国とは、日本です。
 相変わらず、日本の政治家は、天下泰平の日々を過ごしているでしょうが、
本当に、のんびりしていていいのか。
 親米派の政治家は、「日米軍事同盟があるから大丈夫だ」と言うでしょうが、
はたして、それでアメリカの納税者を納得させることができるのか。
 世界は、刻々と変わりつつあるのです。
にもかかわらず、日本の政治家の頭は、終戦直後のままです。












































































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